今日、江ノ電で

現像するには撮影済のフィルムが必要、ということで写真を撮りに鎌倉に向かった。
ミノルタの銀塩一眼レフに、αSweet Digitalの常用レンズを装着。
同じαマウントなので使い回しができ、とても便利だ。

久しぶりに気分を変え、電車で行くことにした。で、驚いたのが大船駅。
JR東日本が推し進めるエキナカ戦略か、オシャレで都会的な雰囲気に様変わり。
これぞ東海道といった113系が似合う以前の鄙びた雰囲気が、今では懐かしい。

北鎌倉で降り、ふらりふらりと鎌倉方面へと散策を開始。
以前から目を付けていた住居の廃墟をパチリ。朽ち果てた鉄筋が心をくすぐる。

モノクロ写真は、カラー情報がなくコントラストだけで総てが表現されるので
構図もそれを考慮しながら決めなければならなく、今までは一味違うアプローチが必要。

まずは、北鎌倉駅前にある円覚寺(拝観料300円)に参拝する。
こうやって寺の境内を歩くだけで、何となく心がリラックスするから不思議だ。

向かったのは東慶寺(拝観料100円)

まだ入ったことのない寺巡りをすることに。
こじんまりとした境内は、田舎の農家のような趣でいいね。

次に向かったのは浄智寺(拝観料200円)

道路から少し入った場所にあり、木々が覆うアプローチを抜けると、谷あいに境内が広がる。
谷戸によって区分けされた境内は、それぞれが違った雰囲気を持っていて個性的だ。
こんな寺が北鎌倉にあったとは知らなかった。
こういう楽しみのある徒歩も、いいもんだ。

鷲見和紀郎・畠山直哉展のポスターに何となく惹かれ、観覧料800円を払い
神奈川県立近代美術館鎌倉館に、立ち寄ってみることにした。

荒涼とした丘陵地帯に、突如現れたかのように立ち並ぶ高層住宅の不自然な情景や
コンクリートの柱や梁のみで構成された住宅の無機質で幾何学的な光景・・・
晩年の大阪スタジアムでの住宅展示と、解体途中のガレキの山のコントラストほか
特に、畠山直哉の写真は非常に興味深く、自分の感性を刺激した。

古さが目に付く鎌倉館の建物は、なんと築55年。
2003年竣工の葉山館とは52年違い。
古いんだけれどモダンなんだよな。

銀塩だと、このレンズの広角端17mmからフルに使えて新鮮だ。
APS-CサイズのCCDが、如何に広角を無駄にしているかを実感する。

鎌倉から横須賀線で帰るのも味気ない気がして、江ノ電で藤沢に出ることにした。
久しぶりに乗る江ノ電は、路地裏を通り、トンネルを抜けると谷あいの極楽寺駅、
住宅街を抜けると海岸線。また路地裏、そして道路と変化に富んでいて飽きない。

やがて江ノ電は、藤沢の頭端式ホームに到着。
藤沢まで来たことだし、友人おすすめの寿司屋、江戸政にでも寄ってみるかな。

現像データ
 現像: Kodak D-76(1:1希釈) 9分30秒
 停止: 富士酢酸(1.5%水溶液) 30秒
 定着: イルフォードハイパムフィクサー(1:4希釈) 5分
 富士Agガード(1:4希釈)使用 全行程20℃処理

江戸政は、2020年現在では閉店しています。

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