堂々たる構えの三門を過ぎると、目の前に壁が迫ってきた。
華厳の滝よりまだ高い104m、287段の石段。菩提梯(ぼだいてい)だ。
登るごとに悟りへ近づくと言われれば、登らないわけには行かない。
にしても、きついな。
身延山久遠寺は、日蓮宗の総本山。
手すりにすがるようにして境内へ着くと、その立派さに違和感を覚えた。
気を抜くと墜落してしまいそうな菩提梯を下りると
東北からの観光バスが何台も停まっており、多くの人でごった返していた。
桜の季節はそれは美しいという話だが、ここは観光気分ではなく信仰心で来るところなのだろう。
雨畑湖は想像以上にこじんまりとした湖だった。
この湖は自然湖ではなく雨畑ダムに堰き止められた人造湖で
アルミニウム製錬の電力確保のため、日本軽金属が造った民間ダムとのこと。
アルミニウムは原料のアルミナを電気分解する際、大量の電力が必要となる。
日本のアルミニウム産業は、電力価格が高いためにコスト競争力が弱く
アルミニウムの需要が伸びる中、80年代に掛けて破綻に近い衰退をした。
現在は、自家発電でコストが抑えられる日本軽金属だけが製錬を続けている。
この湖、堆砂率が80%を超えているらしく沿岸部が湿地のようになっていた。
ここまで来ると、水ではなく土砂を堰き止めてると言っても過言ではない。
そうこうしているうちに、井川雨畑林道の起点を通り過ぎた。
路上には落石がゴロゴロしていて、車から下りて石をどかしたりしながら
井川雨畑林道を抜けると、メンパとアプト式で名を馳せる井川の集落に着く。
ちょっと上流に足を延ばせば、畑薙両ダムがあり南アルプスの山懐へ分け入る。
ちまたで有名な静岡市営白樺荘は、平成21年6月14日を以って閉館してしまったようだ。
強烈なぬめりのある個性的な湯だったらしく、情報収集不足に唇を噛む。
帰りに、口坂本温泉という温泉に寄ってみた。
ここの湯もまたかなりのぬめりのあるいい湯だった。
それにしても、静岡市って広いね。
コメント