リクヴィールから戻ると、既に日は傾き始めていた。
冬の日は短い。
シャン・デ・マーズ公園を通り抜け、駅から徒歩で20分ほどの場所にある旧市街へ向かう。
公園の中には、レンタサイクル屋があった。
天気さえよければ、自転車を借りて郊外の村を回ろうと思っていたけれど、どちらにせよ今日は休みだった。
公園外れには、こちらもやはり休みのメリーゴーランドがあった。
休日しかやってないのかもしれない。
通りの街路樹には、さり気なくクリスマスのオーナメントが飾られていた。
辺りが賑わいを増してくると、そこが旧市街だ。
メインストリートには店が並び、歩いているだけで楽しくなる。
通りはクリスマスの飾りつけに忙しい。
とにかく雑貨屋が可愛くて、どうしても各店停車になってしまう。
アイアンの看板も可愛い。
路地を1本入ると、大聖堂のある広場に出た。
覆い被さらんばかりの壁肌を見上げる。
ここにはミニ観覧車。
クリスマスマーケットまであと1週間を切って、あちこちで準備に追われている。
暮れなずむ町並に灯が入り始めると、すっかり童話の世界。
靴屋の店先で、カーレンが赤い靴に見とれてても不思議じゃないもの。
ああ・・・
満たされてゆきます。
歩いていると、クリスマスマーケットの出店が並ぶ通りに出た。
まだ準備の途中だけど、しゃんしゃんしゃんとクリスマスソングが流れ
本場の雰囲気は充分に感じることができる。
なるほど、よく童話で貧乏な主人公がクリスマスの日だけは救われる
というような場面が出てくるけど、体感として理解できるな。
本当に街中がクリスマス一色で、心まで暖かくなるものね。
妙に心に残ったこの曲だけど、帰国してから調べると
“Peggy Lee”の”Ring Those Christmas Bells”という曲だった。
ディン・ドン・ディン・ドン♪
よくガイドブックに載っているカットを発見!
やっぱりここの土産物屋にもコウノトリがたくさん。
上の画像の通りを奥へ進んでいくと、日本茶の専門店があった。
いろいろな種類の銘柄があって、下手な日本の店より充実してるんじゃないかしら。
さすがジャポニズムを育んだ土地だね。
教会の鐘の音が聞こえる。
夕暮れの街にこの音風景、たまらなくいいなぁ。
時が過ぎるのも忘れて夢見心地で旧市街をぶらついたけど
なかなか道が複雑で、歩いてると今どこにいるか解からなくなってしまう。
「ここ・・・さっきも歩いたなぁ」
「あれ?・・・あの店、さっき見たよ」
パケット代が恐くて、いつも頼りっぱなしのグーグルマップも使えないし
かなりの時間さまよってようやく宿へ辿り着いた頃には19時ちょっと前だった。
焦っていたのです。
19時から今回の旅唯一のレストランの予約を取ってあったので。
続く。
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