初學者的台灣 九份篇

台湾3日目は、今回の旅で最大の目的だった九份観光。
以前、写真でこのレトロな町並を目にし、懐かしいような暖かいような
まるで夢の中の町ような不思議な感覚を抱いた九份。憧れだった場所だ。

もともと金鉱の町として発展し、日本統治時代に最盛期を迎えたこの町は、
金鉱が閉山された1970年代から急速に衰退し、人々からも忘れられた町となっていた。

そんな町が一躍脚光を浴び始めたのは、意外と最近の1989年。
第二次世界大戦、日本統治解放後の激動の台湾を舞台に、歴史に翻弄される家族の
生と死、愛と悲しみを描いた映画「悲情城市」のロケ地として使われてからである。

台鉄宜蘭線の瑞芳駅で下車し、ちょうどやってきた金瓜石行のバスに飛び乗る。
やる気の無さそうな若い運転手の運転は人生史上最も荒く、停まるたびにギッコンバッタン。
日本だったら解雇されそうな運転で、霧が立ち込める山道をどんどん登り
山合いに肩を寄せ合うように並ぶ集落に入ってまもなくの舊道口停留所で下車。

セブンイレブンの脇の道を入るとそこが、九份随一の商店街、基山街だった。
狭い通りの両側には、土産や特産品、小吃(台湾風の軽食類)を売る店がびっしり。

名物の草仔粿(あんこ、切干大根、タロイモを包んだ草餅みたいな一品: NT10)や
エリンギ焼、魯肉飯、総合魚丸湯、米麺を食べて小腹を満たしつつ、町を散策。

雑多にした江ノ島の参道みたいな印象で、外国ながらどこか日本っぽくもある。
最近知ったんだけれど、この町は映画「千と千尋の神隠し」のモデルになったと噂されているようだ。

九份でぜひ入ってみたかったのが豎崎路にある茶芸館、阿妹茶酒館。
店の中には、変わった面やセンスの良い調度品が飾られ、じつに独特だ。

アク抜きや蒸らしなど、店の方が丁寧に淹れてくれた金色の凍頂烏龍茶(NT700)は
烏龍茶ってこんなだっけ!?というほど、気品ある花のような香りとやさしい口当たり。

茶葉がある限りお茶は飲み放題で、蜜に漬け込んだ梅やミルクケーキ(これおいしい!)
杏仁豆腐を食べながら、美味しい烏龍茶を頂く。

至福だ。

瑞芳駅から降り始めた雨も手伝って、吹き抜けの窓から見下ろす景色は幻想的。
この町は、晴れ渡った晴天より雨に濡れたほうが似合うかもしれない。

茶芸館を出て豎崎路を下ると、映画のロケで使われた映画館の廃墟があった。

風情ある町、九份。
今度は、堤燈に灯が入る夕刻にまた訪れたい。

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