会津冬紀行 後篇

翌朝早く、視界のきかない早朝の朝霧の中を喜多方へ向かって走る。

お目当ては、喜多方ラーメンの発祥の店「坂内食堂」
朝7時から開いていることもあって、朝食代わりに立ち寄る客も結構いるみたいだ。

肉そば(850円)

麺が隠れて見えないほどチャーシューが敷き詰められている。
豚骨ベースとは思えない透き通った琥珀色のだしは、あっさりとしていて上品。
醤油豚骨に慣れ親しんだ味覚に、最初こそどこか物足りないなと思ったこのラーメン。
箸を進めるうちに、それぞれの素材が持つ旨味を最大限に引き出した
どこまでもシンプルな、巧妙とも言うべき味の虜になり完食。

書いていたら、また食べたくなってきた。

帰りの列車までまだしばらく時間があったので、猪苗代湖までドライブしてみよう。

猪苗代湖畔は一面の銀世界。
キリッと冷え込んだ朝の緊張した空気が、深く透明な世界を描き出す。

友達に別れを告げ、来た道と同じルートで帰途に。
世話になりました、ありがとう!

途中、川治湯元で下車し、男鹿川っぺりにある露天風呂「薬師の湯」に立ち寄る。
第三セクターの野岩鉄道は、比較的新しい路線だけはあって豪快な高規格建築が圧巻。

薬師の湯(300円)は、期待したほどではなかったな。
湯温が低かったのと、周りから風呂が丸見えだったのが開放的すぎかしら。

会津への旅は、雪深い冬がその良さを一番知ることができるような気がする。
山に囲まれた会津の厳しく長い冬は、東京の冬よりどこか暖かく感じた。

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