立派な桃である。
山梨を語る上で、やはり桃は避けて通れない。
この桃は、道の駅甲斐大和に立ち寄ったら無料で頂き、眺めて可愛く食べておいしかった。
この日向かうのは、笛吹川源流部に位置する西沢渓谷だ。
平日の昼すぎということもあって、ハイカーの姿はちらほら程度。
いざ行かん。渓間へ!
林道をしばらく歩き瀟洒なトイレを過ぎると、散策路は徐々に高度を落とし
マイナスイオン溢れ返る渓流沿いのスリリングな道へとその様相を変えた。
流量豊かな流れは清冽で、しっとりと濡れた散策路を歩いていると
都会での日常に揉まれ荒み切った心が浄化されてゆくような・・・
とは問屋も卸さず、思いの外アップダウンに富んだ渓流伝いのルートと
突如降り始めた雨に打たれながら、頭の中では引き返す妥協点を逡巡し続けた。
と、その時であった。
足元で蠢いたのは、ふてぶてしささえ感じさせるような堂々たる西沢のガマ。
この後強くなった雨脚を暗示させる。
西沢渓谷の大トリ、七ツ釜五段ノ滝が近付くに連れ雨脚もうなぎ登りで
傘代わりに頭に乗っけたタオルもろとも、ずぶ濡れになりつつあった。
西沢渓谷の散策ルートは反時計回りになっているのだが
ようやく散策路が渓流に別れを告げ、対岸の斜面を登り出した。
林鉄跡だ!
なんて歩きやすいんでしょう!
渓谷浴のラスト間近、雲間から青空が顔を覗かせた。
遅いよ。
もうすっかり濡れ鼠です!
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