思えばずいぶんとヤビツ峠に行ってないなと気づき、仕事が終わってから繰り出した。
長後街道を快走し、清川村へ。
山が近くなるに連れ、どんどん気温が下がってゆく。
土山峠を越え、宮ヶ瀬湖へ。無人の湖畔道路は気持ちいいが、やはり寒い。
宮ヶ瀬側の交差点から裏ヤビツを見る。
平日の深夜だ。当然、静まり返っている。
この入り口のちょっと怖い感じが好きなんだよね。
案の定、車なんて通ってない。ただただ暗く、狭いブラインドカーブがひたすら続く。
去年通った時には、悪趣味なことに写真まで撮ってしまった件のポイント、
冬の深夜真っ暗の中ひとりではさすがに、肝を冷やしながら足早に通り過ぎた。
ドキドキしっぱなしというへたれっぷりを如何なく発揮しながら走り抜いた後
グランドフィナーレを飾ってくれたのは、菜の花台からの素晴らしい夜景だった。
何が出てもおかしくないようなじめっとした裏ヤビツを抜けると、この素晴らしい景色。
こういう裏と表が対照的な所も、ヤビツ峠の魅力なんだよね。
3日後の週末にも、友人とまたヤビツ峠へ行った。
打って変わって、走り屋や他の車で大賑わいだった。
たらたら走ってると走り屋に跳ねられそうで怖いな、と思っていたけれど
すれ違いでは道を譲ってくれたり、逆に譲ると礼されたりとマナーはしっかりしているようだ。
時折、浮き砂や落ち葉でまるでダートのような路面で後輪がスリップし、ヒヤッとしながらも
夜のヤビツの狭い道を快走するのは、たまらなく楽しい。もう本当に楽しい!
札掛を過ぎたあたりで、突然大きな影が前に立ちはだかった。
なんだ!?
鹿だった。
ライトに照らされ、大きな鹿がこちらを見たまま固まっている。
と次の瞬間、横に逃げればいいのに慌てて前に向かって走り始める。
まるでバイクで煽ってるみたいな格好のまましばらく一緒に走り、林に消えていった。
この道は、神奈川では貴重な自然がまだまだ残る丹沢山系を突っ切る道だ。
鹿や自然の動物たちの領域に、人が土足で踏み込んでいるわけだ。
鹿のほうが優先であるべきだ、などと考えながら帰路についたのであった。
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