須賀利を訪ねて 後篇

須賀利は、尾鷲湾を挟んで対岸に位置する尾鷲市の飛び地。
言葉で行っても解かりにくいけど、地図で見れば一目瞭然

このような立地から、昭和57年に県道が開通するまでは陸路で訪れることができず
唯一の交通手段が、尾鷲港とを繋ぐ須賀利巡航船のみという陸の孤島だった。

夕刻前に、家々がへばりつくようにして集まる須賀利の集落に到着。

長い石段を上った集落を見下ろす高台に、普済寺がある。
かつて巡航船が就航する前は、普済寺の裏手より寺倉峠を越えた麓に渡し船が着いたらしい。

境内から見る須賀利の風景に、懐かしさを覚える。

ゴールデンウィークにも関わらず観光客がいないのもあって居心地がよく
ただ歩いているだけで心の凝りが解れてゆく。

休校中の須賀利小や高宮神社を参詣しているうちに、いい光の加減になってきた。
今日は須賀利に宿を取っているので、本当にのんびりと過ごすことができる。

手前に写っているのが須賀利巡航船すがり丸。
本当は、尾鷲港にバイクを停めてここへは船で訪れたかったが、運悪く運休日だった。

海と深く繋がって息づいてきた町、須賀利。
日本の里百選にも選定され、近年ここを訪れる人も増えているという。

三脚を持って来ていないのでこれより暗い撮影が難しく、心のフィルムに焼き付けます。

お世話になった民宿笹丸渡船の夕飯は盛りだくさん。
たらふくいただいてお風呂に浸かった後は、夜の須賀利を散策だ。

最初は目の錯覚かと思ったけど、覗き込む海面に微かな光を感じ
よく見てみると、波と同期して海面が青白く光っている。

夜光虫だった。

赤潮の原因となるとも言われる夜光虫。この眼で見るのは初めてだ。
小石を投げ込むと、イルミネーションのような強い光を放ち放射状に伝搬してゆく。
その様子があまりに幻想的で、何度も何度も石を投げ込む。

翌日は、渋滞に巻き込まれないうちに早目の行動を心掛けることにする。

志摩へ向かう途中、ニラハマ展望台からの古和浦湾。
静かな湾に、養殖の筏がたくさん浮かんでいる。

ノリで、前島半島の中ほど志摩町和具にある菓子工房シマヤへ。
絶滅危惧種のたぬきケーキを救出しようという魂胆だったけれど定休日(泣)

志摩から伊勢へ向かうパールロードは眺めが素晴らしくて感動した。
知らないだけで、こんな道があるのだな。

ここらあたりから、的矢かきの文字をずいぶん目にするようになった。

伊勢までの道すがら何度も見掛けたかき食べ放題に何度も心惹かれるも先を急がねば。
今日中に、ここから神奈川まで帰宅せねばならないのだ。

最後は東名の上り大渋滞。
30kmやら40kmの渋滞表示にげんなりしながら何とか帰宅。

東駿河湾環状道路が部分開通したおかげで
帰りは箱根経由の方が早く便利になった。

2012年9月で、須賀利巡航船は廃止となりました。
そのため、残念ながら須賀利を訪れる観光客が激減しているそうです。

2020年現在、民宿笹丸渡船は廃業しているようです。

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