能登原付ツーリング 前篇

能登半島を髄までしゃぶり尽くす!
もっとこう身近に能登を、それこそ日常生活の延長としての等身大の能登を感じたい。

そのためには、
スーパーカブで行くしかない。

ノリと勢いに任せ、節電減灯で真っ暗な深夜の箱根裏街道を経て
ようやく空が白んできたのは御殿場を通り過ぎる頃だった。

富士吉田、甲府、北杜、茅野、高遠、伊那、木曽、開田高原、高根
飛騨高山、飛騨古川、猪谷、越中八尾、高岡、氷見、七尾、穴水、珠洲

これから通るだろう数々の町とその道程を頭の中に思い描くと
どうにかなってしまいそうなほどワクワクしてくる。

原付だと意外にきつかった籠坂峠を越えると、山中湖で日が顔を出した。
幸先の良いスタートじゃないの。

何が起きるかわからないので、前半である程度距離を稼いでしまいたい。
脱兎の如く御坂みちを甲府盆地へと駆け下り、甲州街道を西行。

道の駅はくしゅうに着いたのは7時半。
いいよ、なかなかのペースだ。

南アルプスが育む清冽な天然水を目の前にしながら、それを口にすることなく
ケンコーコムで激安だったクリスタルガイザーで喉を潤す。

長野入り!

茅野のデニーズで朝ごはんを摂り、杖突峠へ向かう。
峠の茅野側は急峻な地形で、峠道は街を俯瞰できるまでに高度を上げた。

峠を越えれば、あとは桜で有名な高遠の城下町までなだらかな快走路が続く。
時間に余裕ができたので、高遠温泉さくらの湯で朝風呂を愉しんだ。

ここを通るならソースカツ丼だ。
盛況の青い塔のソースかつ丼は変わらず最高においしかった。
全国的にカツ丼は玉子とじスタイルじゃなくソースカツ丼でいいな、うん。

ところで、伊那谷にはローメンやおたぐり等の他とは一線を画した珍味が多い。
その中でもひときわ異彩を放つのは、蜂の子やザザムシ、蚕の蛹等の昆虫食文化だろう。

目印の餌を蜂に持ち帰らせ、その蜂を追い掛けて巣を見付ける「蜂追い」
当地には「はちとり」という蜂捕獲専用の煙幕花火まで売られており
シーズンになると散見される大の大人が喜んで蜂を追うその姿はさながら
狩猟ではなく娯楽なのではないか?と勘繰ってしまうのも無理はない様らしい。

また、網で川底を掘り起こし川虫を獲る「虫踏み」と呼ばれる独特の漁。
この川虫の総称をザザムシといい、獲れたザザムシは佃煮にして頂く。

巨費を投じて穿たれた伊那谷と木曽とを結ぶ権兵衛トンネル。
おかげで、個人的には高山行き木曽ルートの敷居が随分下がった感がある。
学生時代は、リトルカブでの高山からの帰りにはこのトンネルが鋭意工事中で
雨の権兵衛峠越えで疲れ果て、伊那市の寂れたホテルに投宿したことを思い出す。

と、ここでガソリンがピンチに。
神奈川からここまで4リットル程度でここまで走れたのは優秀。

開田高原を通るたびに気になっていた青看板。

←地蔵峠

ここを通る時はいつも時間に余裕が無かったが、今回は違う。

左折!

峠には文字通りお地蔵様が建立され、優しい微笑みを湛え行旅人を見守っている。
峠の少し先には展望台が設置され、御嶽山をすぐそこに眺めることができる。

開田高原は言わずと知れたそばの産地だ。
人の並びに釣られて、ついつい大目旅館でそばを頂いた。

到着ーッ!

高山の常宿になっているひだ天照寺ユースホステル。
そして、ここまで交通費はガソリン代500円だけ。
恐ろしいコストパフォーマンスよ。

不思議と疲れてないし、町を散策しに行くかな。

いつ来ても素敵ね。

朴葉味噌焼きは最高よ。

そして、飛騨オレンジ。

うんうん。

飛騨高山は癒されるね。

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