思い立ったが吉日、衝動的に日帰り京都ツーリングに行くことにした。
睡眠をほとんど取らずに出発するのが常だけど
徹夜で走ると決まって、日が昇ってから耐え難い睡魔に襲われるので
ETCの深夜割引に間に合うギリギリまで寝てから出発。
東名を西へ向かうのはかなり久しぶりのことで
白んできた景色を、記憶と照らし合わせながら進む。
「ああ、そういえばこんなところあったな」
忘れていた景色が思いのほか多くて、ちょっと懐かしい気持ちになった。
せっかく関西まで足を延ばすのだから、京都に直行するのも勿体ない。
関ヶ原インターで名神高速道路を降り、日本海方面へ寄り道をすることにした。
知らない土地を走っていると自然と気分が高揚する。
旅は、冗長な日常生活への刺激になると実感する瞬間だ。
琵琶湖に別れを告げ、峠を越えると、そこは日本海の町、敦賀。
青看板の美浜原発の文字に、何より敦賀を感じる。
ちょっとだけ足を延ばして、三方五湖へ寄ってみる。
三方五湖とは、三方湖、水月湖、菅湖、久々子湖、日向湖の5つの湖の総称で
淡水から海水まで異なった塩分濃度と水深のため、湖水の色がそれぞれ異なる。
三方五湖レインボーラインからは、湖を俯瞰することができた。
京都へ向かう途中もう1箇所、寄り道したい場所があった。
「滋賀県高島市新旭町針江地区」
豊富な湧き水が、川端(かばた)と呼ばれる独自の水文化を生み出し
人と自然との共存が今に至るまで受け継がれている針江地区。
2005年に、NHKスペシャル「映像詩 里山 命めぐる水辺」として取り上げられ
川端を巡るエコツアーが開催されるなど、関心が集まっている。
今回は、エコツアーの存在を知らなかったため川端を巡ることができず
不完全燃焼に終わったが、次回はぜひ川端を見学してみたい。
住民の方が暮らす地区なので、訪問時はエコツアーを予約するのがおすすめです。
峠を越え、そのまま大原の里へ。
初めて訪う場所だが、のどかで美しい風景には安らぎを覚えた。
まさに、模範的な日本の里山と言ったところ。
呂川(りょせん)沿いに続く参道には、土産物屋が立ち並ぶ。
さながらトンネルのような緑に包まれた参道を抜けるとそこが三千院。
三千院もまた、緑々しい木々に包まれていた。
ベニシアさんが大原の里に惚れ込むのも頷ける。
本日の宿は、市営宇多野ユースホステル。
建て替えたのは知っていたけれど、すっかりきれいになっちゃってて驚いた。
相変わらず国際色豊かな宿泊客はいつものことながら
この日は小学校の修学旅行とバッティングし、賑やかなことこの上なかった(笑)
ガラス張りの開放感溢れた造りで、今後も京都の定宿だね。
朝食を食べた後、観光客もまばらな嵯峨野を散歩することにした。
嵯峨野手前で、ベージュ色の高校生がぞろぞろと通学しているのと重なり
地図を見ると府立北嵯峨高校という立派な高校がある。これは羨ましい立地だ。
朝の静かな嵯峨野散策を終え、その先にある清滝まで足を延ばす。
清滝トンネルは、さきの戦争で不要不急線に指定され廃線になった愛宕山鉄道の
鉄道用トンネルを道路用として転用したために、信号による一方通行となっている。
長い信号待ちの途中、杭口上に猿が数匹現われ、戯れていた。
暗く狭くて途中で屈曲するトンネルを抜けると、すぐに清滝のバス折返し場。
路線バスの起終点・狭隘路線・折返場好きとしては、この路線には心がきゅんとした。
戻りは、またトンネルではおもしろ味に欠けるので上を越える試峠越え。
試峠は清滝側からの一方通行で、切り通しの峠の上を嵐山高雄パークウェイが渡る。
帰りは、去年開通した「新名神高速道路」経由で名古屋に抜けた。
この道はオススメ!
とっても贅沢な造りの道路!
最近の高規格な設計で造られたため比較的高所を高架でパスし、景観がすこぶるいい。
ここは特にバイクで走ると、最高に気持ちがいいね。
名古屋まで来たなら、やっぱり「あつた蓬莱軒」のひつまぶし。
走り甲斐のある日帰りツーリングだった。
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