追悼 駒ヶ岳ケーブル

廃止以降どうなっているのか、インターネット上を探しても
ほとんど情報が流れていない駒ヶ岳ケーブルの現況を知るため現地調査をしてきた。

過去の写真も織り交ぜながら写真中心でいきたい。

駅へのアクセス路、駒ヶ岳道路は例によって車両通行止の標識と共に
ゲートが閉鎖されているので、バイクは置いて徒歩でアプローチ開始。

ただ、ゲート横に

西武建設駒ヶ岳ケーブル(作)

と書かれた真新しい郵便ポストが。

徒歩だとそれなりに距離がある。
過去の思い出話に花も咲き、テンションも高く歩いていたその時、

ん!車のエンジン音?

聞こえるはずのない音が近づき、我々の横をトラックが抜き去った。
ああ、これは駄目かもわからんね。

3年前に訪れたあの日と同じ

深く濃い霧に包まれたその場所には

ただ、駅舎と付帯設備を解体する重機の音だけが響いていた。

現役時代に乗った車両もいまでは亡骸に見える

作業が中断した昼休憩を狙って現場監督らしきかたに
撮影していいかと尋ねたところ、快く承諾してくれた。

既に駅舎は、ほとんど解体されてしまっている。

家族連れで盛況の箱根園から、駒ヶ岳ロープウェーで山頂へ。

山頂駅は営業時よりその廃墟度を高くし、まだそこにあった。

覗くと、機関室には灯りが点り、まだこの施設が管理されていることが解かる。

だが山麓から工事が進み、そう遠くない将来この駅舎も撤去されるのだろう。

一時は活況を呈したのだろう駒ヶ岳スノーランドも

今ではすっかり廃墟となり、不気味に佇む。

霧が発生しやすい場所だけに、酷くカビ臭くて頭が痛くなってくる。

スノーブーツやスキー板はそのまま放置されていた。

レストランコルナス。
仲間連れやカップル、家族連れ、たくさんの人で賑わったんだろう。

当時のメニューが置き去りになっていた。

60年代のレジャーブーム時には、新宿からケーブル登り口駅まで
直行便が運行されるほど賑わった駒ヶ岳スケートセンターが
1985年に装い新たに生まれ変わり、誕生した駒ヶ岳スノーランド。

文字通り、スキーや雪遊びが楽しめたようだが
レジャーの多様化に伴い来客数も減少し、1996年に営業終了。

駒ヶ岳には、日本人を探すのが困難なほど多くの外国人が訪れていた。
廃墟ばかりの霧中の山頂、一部のマニア以外には不気味だと思うけど、どうなんでしょ。

2009年6月現在
駒ヶ岳ケーブル自体は、現在工事用ケーブルとして稼働中らしく
山頂に重機を運び込み、駒ヶ岳スノーランドの廃墟は既に撤去済。
山頂の遊歩道整備などが行われ、山頂駅も撤去済。

2020年現在
山麓駅はきれいに整地され原状回復状態。駒ヶ岳道路もゲートで封鎖されたままです。
山頂駅も整地され、相模湾展望広場となっています。

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