今日は、2007年に開通したLGV東ヨーロッパ線で、一路パリへ向かう。
この路線、営業運転前の試験走行で車輪で走る列車としては世界最速の574.8キロという
とんでもない記録を樹立したことで記憶に新しい。
食堂は学生で大賑わいで、東洋人は我々しかいない。
厚木くんと朝食を摂り、再開を約束してユースホステルを後にする。
ひんやりと湿っぽい朝の空気の中を、駅へ向かう。
TGVが出る9時15分まではまだ時間があるので、音楽を聴いて過ごそう。
ストラスブールからパリまでは、2時間ちょっとの小旅行。
運賃は58ユーロ(約6500円)だ。
新幹線のような俊敏な加速はせず、じわじわと速度を上げたTGVは広大な景色の中を快走する。
延々と続く穀倉地帯を見て、フランスは農業大国だと実感した。
旅の終着駅、頭端式ホームのパリ東駅へ音もなく滑り込む。
隣のホームには、最近乗り入れを開始したICEが停車していた。
首都パリは、多くの人々が行き交い雑踏に包まれていた。
メトロへの通路では、許可を取ったアーティストたちが路上ライブをしている。
ホームで待っていると、ゴロゴロと音が近づき旧型の車両がやってきた。
ドアは半自動らしく、降車の乗客がドアについたハンドルを押し下げると
バネで弾かれたように、ガラガラガッコンと音を立ててドアが開く。
なんだかすごくレトロだ。
車内に乗り込んでしばらくすると、突然ジプシー風の女性が歌を歌いながら
サウンド・オブ・ミュージックよろしく車内をクルクルと移動し始めた。
とても驚いたが、ここは気にしない風を装おうと決め込み
それとなしに周りを見回すと、やはり皆まったく無視。
ひとしきり歌い終えると乗客の前で手を出して回る。
ふむふむ。
日常茶飯事の光景なんだろう。
すごく新鮮で楽しい!
ルーヴル美術館の最寄り駅、パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル駅(Palais Royal Musse de Louvre)で下車。
また、このデザインと言ったら。
ランプが赤っていうのが憎い。
遂にやってきた・・・
有名なピラミッド、ルーヴル美術館だ。
さすがに世界的に有名な観光地。人が多い多い。
ピラミッドから中に入ると、地下にメインホールはある。
入館料9.5ユーロ(約1050円)を払い、日本語のパンフレットをゲット。
下調べ無しで訪れたけれど、ルーヴル美術館は広大なのね。
宮殿が丸ごと美術館になっていて、シュリー、ドゥノン、リシュリュー各翼
それを繋ぐ建物群で構成されており、これでは1日費やしても見切れないな。
しようがないので、有名な作品に絞って鑑賞することにしドゥノン翼へ向かう。
入ってすぐに始まるエトルリア、ローマ美術の展示エリアは急ぎ足で通過し
ダリュの階段まで来て見えてきたのは「サモトラケのニケ」だ。
なんて、神々しい・・・
回廊の両側に絵画が並ぶ。
たぶん美術の教科書で見たのだろう。
見覚えのある絵画もちらりほらり散見されたけれど、今はただ先を急ぐ。
さすがは超有名な絵画。
ここだけ人だかりができていて、しきりにフラッシュが炊かれている。
よく見えないって?
壁に剥き出しで展示された、その他多くのギャラリーフレンドリーな絵画とは趣を異にした
防弾ガラスに収まったその絵画は、思ったよりもずいぶんと小さかった。
近くに寄れないので、絵画としての良さを判断することはできない。
はじめて会ったモナ・リザは、有名になりすぎたせいで少し気の毒だった。
むしろインパクトがあったのは、モナ・リザの対面に展示された
絵画というよりむしろ壁画と言った方が相応しいルーヴル一巨大な絵画だ。
広すぎて、だんだん自分がどこを歩いているのかわからなくなってきた。
この展示室には大型の絵画が展示してあって、絵の前には幼稚園くらいかな?
子どもたちが座り込んで先生の説明を聞きながらメモを取っていた。
ルーヴル美術館は放任主義だ(笑)
撮影もOKだし、絵画との距離も近い。
たびたび模写やスケッチをしている人を見掛けた。
そろそろ退館しようと急ぎ足で館内を歩いていると、この絵画の前を通り過ぎた。
あれ?
見ている人誰もいないけど、この絵って有名だよね?
柔らかで艶かしい肌の表現が秀逸。
名作が飾ることなく展示されているところにこの美術館の凄みを感じる。
ルーヴル美術館は、収蔵品だけでなく建物自体も美術作品に値する。
スケールが凄すぎて、もうよくわからないや。
そして、今回いちばん惹き込まれたのがこの彫刻。
まるでフランダースの犬のラストシーンを描いたようなワンシーンに
急いでいるのに時間を忘れて何分も鑑賞してしまった。
というわけで、本当にもったいないほどの駆け足で美術館を飛び出した。
帰国して確認したら、見落とした作品がたくさんあった。
駄目だこりゃ(笑)
きっといつの日か、たっぷりと時間を割いてリベンジするぞ。
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