少し早起きをし、早朝の五箇山を散策してみる。
キリリと冷えた外気に触れ、眠気が一気に吹き飛んだ。

相倉集落は、ひるがの高原に端を発する庄川が作り出した河岸段丘上にあり
この川が平野へと流れ、扇状地を作り散居村で有名な砺波平野が生まれた。

合掌造りが生まれた特別豪雪地帯なだけはある。
空模様も低く垂れこめた曇天なので、天地とも色合いが同じ。

畦道以外の雪がもっこり積もっている部分は、実は田んぼだ。
本来この田んぼは畦道よりも低いことから、積雪量の凄さが推し量れる。

合掌造りの合理性は、積雪時に目にすれば一目瞭然。
急勾配の屋根は一定の積雪で雪を滑落させ、必要以上の荷重を掛けない。
また、茅葺き屋根は雨仕舞のためにも勾配をキツくする必要があるようだ。

宿の前の路面はツルツルに凍結していて、歩くのに気を遣う。

散歩から帰ると、友人も起きだして朝食タイム。

合掌民宿三五郎に別れを告げ、菅沼合掌造り集落へ向かう。
もっと鄙びた集落かと思いきや、そこは世界遺産に登録された集落。
国道沿いに立派な駐車場が設けられ、環境整備費(500円)を払ったうえで
エレベーターで国道下に位置する集落へ降りれるようになっている。

続けて訪れた白川郷もまた賑わっていた。
こちらはそれこそ世界文化遺産という名の観光地だね。
俗化してしまっている白川郷ではあるけれど、純粋に観光地として楽しむと悪くないかもしれない。

飛騨高山や飛騨古川が帰り道の途上にあるが、まだ未訪の古川へ寄ることにしよう。
飛騨古川駅には、ちょうど特急ワイドビューひだ号が入線していた。

2004年に発生した水害では、飛騨細江から猪谷までの高山本線のハイライトと言える
急峻な神通川を伝う区間で鉄橋や橋脚、路盤が流され、復旧まで3年の歳月を要した。

冬の古川の町は、しっとりと落ち着いていていい感じだ。

NHKの連続テレビ小説「さくら」や、映画「君の名は。」の舞台になったりもしている古川の町。
冬の平日は観光客も少なくていいね、とても和む。

飛騨古川と言えば、外せないのが和ろうそく。
最高級品は、ハゼノキから取れる蝋のみで作られるらしい。
職人技で作られた工芸品と聞けば、ちょっと心がくすぐられるじゃない。
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