地の果てるところ・シリエトク 結篇

最終日は、飛行機が発つまでの短い間に近場を周遊。

まず向かったのは、能取岬。
そして、岬へと至るフォトジェニックな道。

岬一帯は草原になっていて、昼寝したら最高だろうな。

能取湖岸に群生するサンゴ草は、見頃を少し過ぎていていた。
でも観光客は多く、記念撮影の写真屋や野菜の直販まで出ていて賑やか。

ここからしばらくは、昭和62年に廃止になった国鉄湧網線の廃線跡を辿る。
まず訪れたのは二見ヶ岡駅跡。
航空写真と見比べながら探索するも、路盤跡はサイクリングロードでわかるがホーム跡は痕跡無し。

先ほどのサンゴ草群落地の裏手にあったのが卯原内駅跡。
沿線では比較的まとまった集落を成していて、駅跡は卯原内交通公園になっている。

お次は、能取駅跡。
ホーム跡がそのまま遺っていた。
併走する国道を走っていて思ったけれど、意外と交通量が多い。
網走~中湧別間の交通需要自体はあるのだね、鉄道ではなく自家用車の。

駅前ロータリーの面影が残る常呂駅跡。
すぐ背後はオホーツク海で、今も鉄道が通っていれば雰囲気ある駅前風景だったろう。

当時「国鉄で最も車窓の美しい路線」とまで言われた湧網線は
それこそ冬になると流氷に埋め尽くされたオホーツク海、氷結した湖が息を飲むほどの光景だったらしい。

遠く対岸に、能取岬を望む。

今回の北海道旅、大トリは何と言っても網走監獄だろう。
その名は通っている観光地なので、もっと堅い雰囲気なのかと思っていたら
初っ端からの香ばしさにいい意味で予想を裏切られ、テンションが上がる。

展示内容は多岐に亘り、道東の開拓史や強制労働について詳しく説明されていて
この歳になってこそ、非常に興味深く巡ることができた。

修学旅行生の団体が何組もいたけれど、ちょっと若い時分だったら良さがわからなかったかもしれない。

この中にこの格好で混じって食べたい

さて、ちょうど昼時となれば
監獄食を食べるほかないだろう。

昼時なのになぜか自分しかいない食堂で、監獄食を食す。

あれれ?
とってもおいしいよ。

ちょうどいい頃合いに炊かれたフキも、長芋も
付け合わせまで優しい味つけで、しっかりとおいしい。

とその瞬間、独身男の普段の食事こそ監獄食であったことに気づいて涙した。

終わり。

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