鍋割山がずっと気になっていた。
神奈川県北西部に広がる丹沢山地の前衛峰。
標高1273mの頂からは秦野盆地を一望の下にできる。
今回、ふとそれを思い出し、行ってみようという気分になった。
登山道へのアクセス、少し距離があるけれど機動力のあるリトルカブで行くことにした。
やっぱり、ダートに河川徒渉。
カブは新聞配達のバイクのイメージしかない人は多いと思うけれど意外とオフロードに使える。
林道のゲート前にカブを停め、そこから登山開始。
しばらく沢に沿って林道を歩くと登山口の二俣に到着した。
二俣には、鍋割山荘で使用する飲料水が置かれており体力に余裕のある人に運搬協力を呼び掛けている。
鍋割山荘の主人然り、100kg以上の荷物を背負って山を登る人もいる
ボッカ(歩荷)には到底及ばずとも、この「水運び」はぜひ体験してみたかった。
勇んで、2リットルペットボトルを1本、バックパックに詰め込んだ。
登り始めてしばらくすると、道は広い斜面に広がる間伐林の中へ入る。
木々の間から光が射し込み、地面の緑が青々と輝く。
ここからはずっと、登山道は想像以上の急勾配が続いた。
中盤の後沢乗越分岐の時点で、バイクに依存した日頃の生活がたたり
あの水がここにきてずっしりと重くのし掛かり、ペースが著しくダウン。
幾度も「頂上か?」と思わせる緩斜地に期待を砕かれ・・・
見えたーッ!
鍋割山荘!!
主人である草野さんが独り、ボッカで資材を担ぎ上げて建てた山荘は
初めての僕でも親しみが沸くような、家庭的な雰囲気の小屋だった。
さっそく今回最大の目的、鍋割山荘の鍋焼きうどんを注文。
秦野盆地を眺めながら食べる鍋焼きうどんは
山の上だとは思えないほど具だくさんで、たまらなくおいしい。
周りを見てみると、かき氷を食べている人がけっこうおり驚いた。
こんな光景を見せられたら、やはり甘党としては頼まないわけにはいかない。
でっかい氷塊を昔ながらの手動の氷削り器で掻いた氷は
シャクシャクとキメが細かくて、これがまた格別だった。
汗がすーっと引いたところで、さぁ下山しよう。
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