ありがとう、駒ヶ岳ケーブル

西武が母体である伊豆箱根鉄道が運営してきた駒ヶ岳ケーブル(駒ヶ岳鋼索線)が
来月8月31日限りで廃止されると聞き、箱根に行ってきた。

愛車リトルカブで箱根の山に向かう。
リトルカブは上り坂だと助走をしないと失速するので箱根の山は不安だったが、
運良く車の流れが遅かったので、アクセル全開で何とか流れに乗ることができた。

小涌園を過ぎると、霧が出てきた。走っていると細かい水滴が顔に当たって気持ちがいい。
見過ごしてしまいそうな交差点を右折し、駒ヶ岳道路に入る。

夜間通行止のゲート

それにしてもこの道路、とてもこの先にケーブルカーの駅があるとは思えない。
伊豆箱根鉄道の私道であり、夜間(17時~8時30分)は通行止になるようだ。

誰も通らない道を走ると、唐突に左に広い駐車場が現れた。
その隅に、廃墟と見紛う雰囲気を漂わせる駒ヶ岳ケーブル登り口駅はあった。
窓口で往復チケット(630円)を買う。なんと硬券!

伊豆箱根鉄道のバス路線も設定されている

廃止が決まったこともあり、乗り納め客がいるかと思っていたけれど誰もいない。
こう言っちゃなんだが、なぜ今まで営業していたのか不思議になるほど閑散としている。

2005年9月1日で、駒ヶ岳ケーブルは廃止されました。
同時に、夜間通行止ゲートは閉ざされておりその先には進めなくなっています。
2020年現在、山麓も山頂も駅舎が撤去され面影はほとんどなくなってしまいました。

乗務員氏は、僕たち2人相手に観光アナウンスをしてくれた。何だか申し訳ない。

山頂駅は、完成当時は瀟洒だったろう円形2階建ての建物だった。
しかし今は2階のレストランも潰れ、ガランとしていてさながら廃墟のようだ。
もっとも、もうしばらく経てば実際に廃墟になってしまうのだが。

ここらへんは、晴れていれば高原のような爽やかな雰囲気なのだろう。
しかし、霧が立ち込め眺望の利かない今日に限っては、
駅や廃墟化した駒ヶ岳スノーランドと合わせてやたらと薄気味悪い。

それがたまらなく好きなだけどね。

しばらく歩くと展望台らしき広場に出た。だだっ広い広場の端に望遠鏡が並んでいる。

巨大な駒ヶ岳ロープウェイ山頂駅

すると突然、霧の中から巨大な影が現れた!
恐怖で思わず下半身が緩む。

近寄ってみると、駒ヶ岳ロープウェイの山頂駅だった。

帰りの駒ヶ岳道路からは、雲が切れてようやく芦ノ湖を見下ろすことができた。
大涌谷で黒たまごを食べ、第2の目的である椿ライン経由で湯河原に抜ける。

椿ラインからは、遠く初島とかすかに伊豆大島が見えた。

湯河原のゆとろ嵯峨沢の湯(1050円)でのんびりと湯あみ。
こじんまりとした湯だったけれど、平日だったこともありグッド!

前情報どおり、駒ヶ岳は確かに廃墟好きにはたまらない場所だった。
しかし、47年間弛まず営業してきたケーブルが廃止になってしまうのは寂しい。
残された僅かな時間、また乗りに来れたらいいな。

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