錦秋の東北大陸へ 後篇

午前7時前、爽やかに起床。
ベランダから朝霧が立ち上る十和田湖が見える。

キュルキュル、ボロローッ・・・もくもくもく。
気温が低いのですごい水蒸気。煙幕が張られ、そこへ光の筋が幾本も通り神秘的。

「あなた、どこから来たの?」
友達と旅行しているというおばさんに話し掛けられ、暖気中に歓談しているうちに
なんと同じ丁目に住んでいることがわかり、たいへん驚いた。

十和田湖畔に出る頃には天気が崩れ、上空に低く雲が垂れ込めてしまった。
おかしいな、晴れの予報だったんだけど。

しかし、外輪山への道を上って行くと霧状の雲を抜け素晴らしい快晴となり
発荷峠展望台へ登ってみると・・・

雲海!

ここからは、樹海ラインを選択。
こちらの眺めもまた格別で、気分がよくなり思わず歌を口ずさむ。

冷え込んだ日の朝の美しさと言ったら、またない。

樹海ラインを下り切ると小坂町。
小坂町と言ったら小坂製錬。
小坂精錬と言ったら小坂製錬小坂線。小坂線と言ったら三重連。あと濃硫酸。

1994年までは旅客輸送も行っていた小坂線は、今は濃硫酸輸送のための専用線。
話によると、濃硫酸輸送の廃止により2007年で休止になるとも聞く。

今日中には、北東北から横浜の自宅まで帰らなければならない。

十和田市からは、東北道で鹿角八幡平まで距離を稼ぐ。
東北大陸とは言い得て妙。広大だ。

松尾八幡平インターを降りると、一路八幡平アスピーテラインへと向かう。
いよいよ、東北ツーリングの締めを飾る八幡平へ、いざ!

秋山明浄にして粧ふが如し。
錦で着飾った林間を抜けると、突き抜けるような青空へのスカイライン。

イイ。

まったく情報を持ち合わせていないので、フィーリングに任せて旅を楽しむ。
そのフィーリングで立ち寄った「ふけの湯温泉」はかなりのヒット。

露天風呂は、宿舎から少し離れた場所に点在している。
フロントに料金(500円)を払い歩いてゆくと、煙を上げる噴煙地のただ中に露天風呂が!

え、なんてワイルド!

しかも、紅葉真っ只中のハイシーズンなのに貸切状態。

アスピーテ(楯状火山という意)ラインは、その後もぐんぐんと標高を上げてゆく。

ちょっとこれは、今までの経験の中でもかなりのスカイラインっぷり。
乗鞍スカイラインも凄かったけれど、今となっては自走できないから随一かもしれない。

やがて、眼前に岩木山の雄姿が聳えると、この道もまもなくグランドフィナーレだ。
・・・一般的には。

!?

牛タン定食(1260円)

松尾八幡平インターからはひたすら東北道を南下することになる。
なので、その前に周辺をうろうろして朴の葉を拾い集めた。朴葉味噌用にね。

途中、仙台に寄り道。
疲れてはいるものの、未経験の仙台名物牛タンを食べてみたい。

旨味太助は小さな居酒屋のような趣。
ぶあつい牛タンを目の前で焼いて出してくれる牛タン定食(1260円)に
なるほど、テールスープが基本スタイルなのか、と納得。

最高においしい牛タンを味わった後は、地獄のような長距離走行が待っていた。
もうほんと、しばらくバイクに乗るのはいいやと思えるほどね。

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