千葉って意外に奥深い 前篇

中学時代、フジテレビの連続ドラマ「コーチ」を見て以来ずっと
その港町の情景に心惹かれていた千葉県の最東端、銚子。
決して近くはなく、かと言って泊りがけで行くほどでもない中途半端な距離が災いして
未だ行ったことがなかったけれど、バイクを手に入れた今、思い切って行ってみた。

国道295号線に入る。
ここら辺りまでくると、周りの景色が何だかのんびりとしてきた。

匝瑳市に入ると、丘陵地帯から拓けた平野に出た。どこか北海道にも通ずる。
途中、刑部岬飯岡灯台からは、まわりの景色を360度俯瞰することができる。

飯岡町(現旭市)は、独特の映像美がたまらなく好きな映画監督、岩井俊二の初期作
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の舞台となった小さな港町だ。

たまたま通り掛ったこの釣具店、主人公の実家という設定だったと思う。

ほどなく、銚子市入り!

市街へと降りてゆくこの雰囲気は、どこか三崎と似ている気がして親近感を覚える。
とはいえ市街へと入るとやっぱり銚子は銚子。他のどこの町とも違う雰囲気。
新しい町や場所へやってきた時の、この新鮮な感覚がたまらなく好きなんだよね。

ひとまず昼を食べることにして、島武水産という回転寿司屋へ入ってみた。
標準的なクオリティだったが、大ダコの大きさにはただただ驚愕した。
タコ脚がそのまんまボイルされ、シャリの上に横たわっている感じだ。すごい。

食事の後は、「澪つくし」の舞台になった外川周辺を散策する。
銚子電気鉄道の鄙び具合と、港町の情景、海が相まって、これこそ銚子なのだろう。
自分の知らない土地で、こうやって日々暮らしている人がいるんだなと、遠くへ来るといつも思う。
海外へ行くと、その想いもひとしおだろう。

老朽化に伴う新橋への架け換えが進む銚子大橋を渡って、対岸の波崎町へと渡る。
細く頼りない銚子大橋は、渡り始めると思ったよりも長い。いや、利根川が広すぎるんだな。
長年親しまれたこの橋も、じきに立派な橋へバトンタッチ。
思い出へと変わる。

海岸沿いの快走路を走っていると、防風林の向こう側に異様な光景が見え始めた。
波崎ウィンドファーム。
風車が整然と横一列に並ぶ様は、どこか現実離れしている。
こんな景色、北海道の日本海側でも見た気がするな。

北上すると、やがて辺りの風景が様変わりし始めた。
鹿島臨海工業地帯だ。

巨大なプラントや建物が林立し、圧倒的な迫力を以って眼前に迫る。
名前を知ってはいたが、こんなに大規模な工業地帯だとは思わなかった。
風景に圧倒されていたら碁盤目になった道に迷い、彷徨うことになった。

続く。

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