万緑の福島へ 後篇

東北初の死海風呂と露天EMフルーティー風呂という触れ込みがうさん臭いなと思っていたら
予想を裏切って実に素晴らしかった「あぶくま高原の宿 開宝花の湯」に一泊し
本日は一路、浜通りへと向かう。

下調べの段階で半ぱじゃない雰囲気を醸し出していた「入水鍾乳洞」はその途中にある。
ちなみに「入水」は、「じゅすい」ではなく「いりみず」と読ませるらしい。
この記事を書いている今では、むしろ「じゅすい」の方がしっくりくる。

 じゅすい【入水】
 (名)スル 水中に飛び込んで自殺すること。身投げ。

すぐそばに、全国的に有名な「あぶくま洞」という鍾乳洞もあるのだけれど
もはや、そちらに目を向けることもなく心はもう入水一色だった。

至って地味な入口から坂道を登っていくと、
夢を捨てないでって、のっけから(笑)

全長900mの公開部は、長さによって3つのコースに分かれている。

Aコース:足場と照明を備えた普段着でも大丈夫なお手軽コース
Bコース:濡れても大丈夫な服装とライトが必要
Cコース:最奥部まで行けるコース

もちろん、最深部まで行けるCコースにする予定だったのだけれど
このコースには案内人が必要で、平日はやってないとのこと。

・・・え!
本気!?

チケットを購入して、プールにあるような更衣室で準備を整える。

下の売店で貸りた草鞋を履き、LEDライトを装着。
首にタオルを巻いて準備完了!

急流瀑布って・・・

寒い!

洞内14度だけはあって、夏場でもかなり寒い。

AコースなんてBコースへのアプローチでしょ、程度に思っていたのだけれど
いきなり他の観光鍾乳洞とは違ったスパルタンな様相に動揺を禁じえない。

ごうごうと音を立てて滝が落ちる脇を、階段で登って行く。
狭い洞内はかなり圧迫感があって、背を伸ばせない場所も多い。

足元には水が流れ、濡れないように足場を選びながら慎重に歩き
段々と順応してきたところでAコース終了。

ここからがBコースなんだけど、雰囲気ありすぎよ。
暗いし狭くて不気味。
本当にここから先に行くのか・・・

Bコースのゲートの先からすぐに足場が無くなり、足元に水が流れる。
濡れるとは思っていたけど、いきなり水の中を進むとは。

躊躇しながらも第一歩を水の中へ入れる。

冷たい!
むしろ痛い!冷たすぎて痛い!

皆で「水は冷たいですが、すぐに慣れます」という先人の言葉を唱えながら
しばらく進むと、本当に痛みが引いてきて何の感覚も無くなった。

不思議だね、水に浸けていた方が温かくて気持ちいい。
完全に麻痺してるんだろうね。

「写真なんて、撮ってんな!」

仲間の怒号が響く。

「藤岡弘、探検隊」ばりの真剣度。
そう、これはもはやサバイバル。

確かにもう、悠長に写真なんて撮ってる余裕は無かった。
数少ない写真は、比較的余裕のある場所でのショット。

這い蹲らなければ通れなかったり、通るために体位を考える必要があったり
これ、もはや観光鍾乳洞じゃないぜ。

とにかく天井が低く、頭をしたたか打ってしまった。
ここに来る時には、ヘルメットも必須だと思う。

息も詰まるような洞内を進んで、もういいよって頃になって
お出まししました、終点かぼちゃ岩!

ここがBコースの終点!

ここからはゲートが設けてあり、Cコースが垣間見える。
この先は照明が完全に無くなり、これは本気で行きたくない。

飛ぶような勢いで入口を目指す。
Bコースを抜け、Aコースなんてスキップするような気分で水の中をバシャバシャ進む。

光だ!
外の明かりが見えたぞ!

入水鍾乳洞
半ぱじゃないよ!

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